産後のぽっこりお腹を凹ましたい。対策を解剖学的に解説

投稿者: | 2021年9月30日

出産で帝王切開をしている人は、腹筋トレーニングをするのは良くないといわれますが、どうしてよくないのでしょうか?男性はもしかしたら、「産後なのになんで腹筋トレーニング…?」と思われたかもしれませんね。実は、産後のママさんが抱える悩みでよく聞くお声というのは、骨盤の歪みや反り腰だけではなく、妊娠で筋肉が伸びて緩んでしまったぽっこりお腹にも悩んでいるんですね。ですから、いち早くぽっこりお腹を凹ますために、腹筋トレーニングをしたいというのは、産後のママさんあるあるな悩みです。では、なぜ帝王切開した人は腹筋トレーニングがよくないといわれるのか。

帝王切開は腹筋や腱などを切る、自然分娩よりも身体への負担が大きいので、傷の回復を待ってから運動を始めるというのが大前提です。だいたい産後1~2か月くらいからが一般的ですかね。自然分娩も帝王切開も妊娠中は子宮自体が赤ちゃんが育つにつれてだんだん大きくなってくる状態なので、物理的に腹筋が長期に渡り引き延ばされ続けます。それからホルモン作用として、リラキシンが出ていて関節・筋・靭帯を弛緩させ、赤ちゃんが出やすい状態を作る状態をどんどんしています。よく起こるのが腹直筋の離開というものです。腹直筋はコラーゲン線維の腱靭帯の組織でお腹の真ん中に通っています。これがリラキシンの影響で緩みやすい状態で引っ張られて離開という状態になり、人によってはおへその下あたりで2~3cmほど開いてる方もおられます。妊婦さんの6~7割の方が腹直筋離開の状態という報告もあるらしいです。出産直後はホルモンの効果が残っているので、腹筋運動は出産後のポッコリお腹に効果的ですが腹直筋離開の悪化(炎症や骨盤のズレなど)に繋がることが考えられます。出産後すぐの腹筋運動はダメです。出産後6~8週は身体の回復を最優先してあげてください。ホルモンの具合と傷のある方はそういうところを見ながら徐々に上げていき、いきなり運動ではなく力を入れていくところから始めていきましょう。主治医の方に1か月検診などで相談をしながら始めていくのがいいと思います。