まず最初に、新型コロナワクチン接種を推奨、または反対しているものではありません。客観的に解剖学的からみたものです。
新型コロナのワクチン注射を打ちましたか?新型コロナのワクチンは筋肉注射と言われる種類で接種後の副作用が出る人もいるため、不安になっている人や接種を辞退しようと考える人もいらっしゃるかと思います。実は、新型コロナワクチンは筋肉注射でないといけない理由があるみたいで。その理由というのは、筋肉注射の方が皮下注射より薬物の体内吸収の速さが速いからということなんです。mRNAワクチンの成分はとても壊れやすい成分なので、体内に吸収される前に分解されてしまう恐れがあります。
皮下注射と筋肉注射の違い
皮下注射は皮膚と筋肉の間にある皮下組織に注射し、筋肉注射は筋肉内に注射します。皮下注射は吸収がゆっくり効果が長く続き、筋肉注射は皮下注射より吸収が早いらしいです。血流の違いです。筋肉は皮下(脂肪組織)より血流が豊富で血中の免疫細胞も多いです。薬液との免疫反応をしやすいのです。皮下組織は筋肉内に比べて血流は少ないので免疫細胞も少ないので、ワクチンの成分が免疫細胞に発見されにくいのです。mRNAワクチンの成分は壊れやすく、ゆっくり吸収では活性化前に分解されてしまうのです。
気になるのは、注射を打ったその日や次の日は、腕がひどい筋肉痛のような感覚で全く動かせなかった人や、熱が39度近くまで出てしまうような副作用についてですよね。
皮下注射と筋肉注射の痛みの違い
筋肉注射の方が奥まで刺して痛そうというイメージがありますが、筋肉注射の方が痛くないらしいです。感覚神経の分布です。皮膚は目・耳・鼻・舌と並ぶ感覚器官で外部からの刺激を脳に伝えます。皮膚には感覚神経が多いので皮下注射で薬液を入れると痛みを感じやすいのです。mRNAワクチンは効果が強いので局所の反応も起きやすいという特徴があります。多くのワクチンにおいて筋肉注射は皮下注射と比べて局所の反応(痛み)が少ないみたいです。CDC(米国疾病対策センター)や多くの諸外国は不活化ワクチン等は筋肉注射が一般的になっていて、ガイドラインでも筋肉注射が推奨されています。日本は皮下注射が主流で、1970年代に鎮痛剤の筋肉注射で社会問題となった大腿四頭筋拘縮症という副作用が背景にあるらしいです。医学はどんどん発展していますが、自分の免疫力が働ける身体があってこそですね。
インフルエンザの予防接種などでも筋肉注射は採用されている注射の種類ですが、昔打つ時に腰に手を当てるという経験をされた方もおられるかもしれません。今ではその姿勢を取ることはなくなりましたが、その理由をご存知でしょうか。実は、腰に手を当てて打つと神経に当たってしまい、身体に大きな負担をかける可能性があったからなんですよ。筋肉注射を打つ部位にはきちんとした理由があるんです。打つ部位が少しずれると神経を傷つけてしまい、不調や身体機能に悪い影響を与えてしまうことがあります。
摂取部位は肩峰より約5cm下、上腕三頭筋中央部~やや前方、針入の深さは標準的体型では15~20mmといわれています。注射部として狙う箇所は大きな血管や神経のない部分です。上過ぎると、肩峰下滑液包というのがありまして肩峰より2cmほど外に出ていて、肩関節障害を起こす可能性があります。針が上を向いていると筋肉深部で同じ個所へ届くリスクがあります。下過ぎると橈骨神経障害を起こすリスクがあります。橈骨神経は上腕の後ろ側から前の方へ巻くようについています。腕枕を長時間していると手首がだらんと上がりにくくなったりした経験をされた方もおられるかもしれませんね。後ろ過ぎると腋窩神経にあたるリスクがあります。腰に手を当てると腕は身体の真横ですが、腕が前側に回って橈骨神経を針側へ向けてしまいます。腰に手を当てる姿勢は、上腕内旋かつ外転位になり後方・上方向き針入になりやすいのです。
筋肉注射や皮下注射以外に他にどんな種類の注射があるのでしょう。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。皮下注射は皮下脂肪のある皮下組織くらいまで針を入れます。インフルエンザなど日本では主流になっています。皮下注射の上の層、表皮と真皮の間に注入する皮内注射というのがあります。BCGやアレルギー検査などに使われます。針を横の方から浅く入れて、ぷくっと水ぶくれのようになります。
筋肉は皮下組織よりも血流が豊富で吸収速度は皮下注射の約2倍くらいといわれています。もう一つ、血管(静脈)に直接薬剤を注入する静脈注射があります。採血とは逆に、入れるんですね。さらに即効性があり5~10分で全身に薬物が行き渡るといわれています。代謝されやすい薬剤・迅速、確実な薬効を必要とするとき・手術のとき(副作用の可能性)です。ドラマでもよく見かけます、アドレナリンとか効果は高いですが副作用の可能性のある、お医者さまの適格な指示でやってますよね。長時間かけて一滴ずつ静脈内に注入する点滴注射(静脈注射)もあります。注射の種類によって作用や効果など分かれていのですね。
新型コロナワクチン接種を推奨、または反対しているものではありません。客観的に解剖学的からみたものです。